この記事の結論

  • 事前申込は5月29日開始。業者に「先に工事してから申請」と言われたら要注意
  • 申請の順番が命。事前申込受理→交付決定通知→契約・工事着工→交付申請。この順番は絶対に守る
  • 令和8年度から3点変わった。10月以降の機器要件・金融機関証明書の義務化・DR参加の上限撤廃

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令和8年度の申請スケジュール一覧

まず全体の時系列を確認します。令和8年度(2026年度)の東京都蓄電池補助金は、以下のスケジュールで動きます。

時期 手続き 備考
2026年5月29日〜 事前申込受付開始 クール・ネット東京の専用サイトからオンライン申請
事前申込受理後 交付決定通知の受領 この通知を受けてから契約・着工が可能になる
交付決定後〜令和11年3月30日 契約・工事実施 工事完了まで進める
2026年6月30日〜(予定) 交付申請兼実績報告 工事完了後に行う。金融機関発行証明書が必要(新制度)
実績報告審査後 補助金振込 申請から振込まで通常3〜4ヶ月
2026年10月1日〜 機器要件変更 10月以降の事前申込は令和8年度SII登録機器のみ対象

注目すべきは「5月29日に事前申込が始まる」だけでなく、「6月30日以降でないと交付申請ができない」という点です。つまり今できることは「事前申込をして、交付決定通知を受け取ること」です。受理されるまでは契約も着工もしてはいけません。

絶対に間違えてはいけない「申請の順番」

補助金の失敗の大半は「順番の誤り」から起きます。東京都の補助金は後付け申請が認められていません。正しい順番と間違いやすいパターンを比較します。

手続きの順番 結果
正しい順番 ①事前申込 → ②交付決定通知 → ③業者と契約 → ④工事着工・完了 → ⑤交付申請兼実績報告 → ⑥補助金振込 補助金を受け取れる
よくある間違い① 業者と契約 → 工事完了 → 事前申込(後から申請しようとする) 補助金の対象外
よくある間違い② 事前申込 → 通知を待たずに工事着工 交付決定前着工で対象外になるリスク
よくある間違い③ 業者に「先に工事してからまとめて申請する」と言われて従う 補助金の対象外

業者の「先に工事して後から申請」は嘘か知識不足

「先に施工を終わらせてから、まとめて申請しますよ」と言う業者が一定数存在します。これは東京都の補助金では認められていません。工事後に申請しようとしても、事前申込の受理日より前の契約・着工は対象外となります。この説明をする業者には書面での確認を求め、公式の募集要項と照合することを強く推奨します。

なぜ「先に申請」が必要なのか。東京都の補助金は「事業実施前に交付決定を受けること」が制度設計上の要件だからです。補助金は国や都の予算を使う事業であるため、「どこに・何の目的で使うか」を事前に確認・承認するプロセスが法律上必要です。業者の利便性のために順番を飛ばすことは制度上できません。

事前申込から補助金受取までの5ステップ

申請の全体像をステップで整理します。

ステップ 内容 タイミング・注意点
Step 1
事前申込
クール・ネット東京の専用サイトで申込。設置予定の機器・容量・住所等を入力する 5月29日〜受付開始。契約・着工の前に必ず完了させる
Step 2
交付決定通知の受領
都側の審査を経て「交付決定通知書」が届く この通知書を受け取るまで工事を開始してはいけない。通知が来たことを自分で確認する
Step 3
契約・工事
業者と正式に工事契約を締結し、設置工事を実施 DR実証参加者は交付申請前にDR実証契約の締結が必要。SII登録機器かを工事前に確認
Step 4
交付申請兼実績報告
工事完了後に実績報告書・領収書・金融機関発行証明書等を提出 6月30日〜受付予定。金融機関発行証明書が今年度から必須(新制度)
Step 5
補助金振込
都側が実績報告を審査し、問題なければ補助金を振込 申請から振込まで通常3〜4ヶ月かかる。振込前の支出は全額自己負担で立替が必要

「書類様式は現在準備中」に注意

2026年5月25日時点、クール・ネット東京の公式ページには「様式等 ※現在準備中です」と表示されています。事前申込に使う書類の様式はまだ公開されていません。5月29日の受付開始に合わせて順次公開される見込みです。日程が近づいたら公式サイトを再確認してください。

令和8年度の3つの変更点

令和7年度から令和8年度にかけて、申請に直接影響する変更が3点あります。業者が令和7年度の知識のままで説明している可能性があるため、自分でも把握しておいてください。

変更点 内容 誰に影響するか
①機器要件の変更
(10月1日〜)
令和8年10月1日以降に事前申込をする場合、国事業(ZEH化・省CO2化促進事業)のSII登録済み製品のみが対象。令和8年度版のSIIリストに掲載されていない機器は補助対象外になる 秋以降に設置を検討している人。夏に営業されて「SII登録済み」かどうかを確認できていない人
②金融機関発行証明書の義務化 実績報告(交付申請)の際に「金融機関発行の証明書等」の提出が必須に。詐欺的業者への対策として導入された新制度 全申請者。実績報告時に証明書がないと申請が完了しない
③DR実証参加時の上限撤廃 DR実証に参加する場合、1戸あたり120万円の上限が撤廃される。エネルギーマネジメント機器設置で15万円、未設置で10万円が加算される 12kWh以上の大容量蓄電池を検討している人。DR実証参加を前提にした金額の見積もりをもらっている人

変更点①(機器要件)は特に注意が必要です。5〜9月に申し込む分には現行要件が適用されますが、10月以降は要件が厳しくなります。業者が令和7年度時点のSII登録情報をもとに説明している場合、令和8年度版リストで要件を満たさない機器が含まれている可能性があります。型番を控えてSII公式サイト(sii.or.jp)で確認してください。

DR実証:参加する?しない?判断基準

令和8年度の大きな変化の一つが「DR実証参加で上限撤廃」です。ただし参加すれば必ずトクというわけではなく、義務の内容を理解したうえで判断する必要があります。

DR実証参加 DR実証不参加
補助上限 上限撤廃(容量×10万円をそのまま受取可) 120万円/戸
加算額 エネルギーマネジメント機器設置:+15万円
未設置:+10万円
なし
16kWh換算での補助額目安 160万円+15万円=175万円 120万円(上限)
主な義務 電力需要調整(ピーク時の充放電制御)への協力
DR実証契約の締結(交付申請前に必要)
なし
向いている人 12kWh以上の大容量機器を検討している。電力制御が入っても許容できる 容量が9〜10kWhで上限以下に収まる。電力を自分でコントロールしたい

DR実証の「電力需要調整」とは、電力系統の需給が逼迫したときに、蓄電池の充放電を外部からコントロールされることです。自家消費の計画が外れるタイミングが生じる可能性があります。「補助金が増えるから参加して当然」という業者の説明は一面的です。義務の内容を業者に書面で確認し、自分の生活スタイルと合うかどうかを判断してください。

DR実証契約のタイミングに注意

DR実証に参加する場合、DR実証契約の締結は「交付申請兼実績報告を行う前」に完了させる必要があります。工事完了後に「やっぱり参加する」と後から契約することはできません。参加する場合は、事前申込の段階から業者と確認を取っておくことが必要です。

よくある失敗5パターン

申請の順番だけでなく、実際の手続きでよく起きる失敗を整理します。

失敗パターン①:事前申込前に「仮契約」を締結してしまう

業者に「仮契約は大丈夫、後から正式に申請しますよ」と言われて署名した場合でも、仮契約が「契約」と見なされれば補助金の対象外になります。どんな書類であっても、署名・捺印をする前に事前申込の受理を確認してください。

失敗パターン②:交付決定通知を確認せずに着工を許可してしまう

事前申込を提出した後、業者が「受理されましたよ」と言うのを信じて工事を開始するケースがあります。交付決定通知書は申込者本人に届くものです。自分で通知書を受け取り、内容を確認してから着工を許可してください。

失敗パターン③:キャッシュバックキャンペーンの金額を補助対象経費に含めてしまう

令和8年度から、キャッシュバック・ポイント還元の予定額は補助対象経費から除外する必要があります。業者が「工事費100万円、キャッシュバック10万円で実質90万円」と提示している場合、補助金の計算基礎は100万円ではなく90万円(実質負担額)になります。見積もりにキャッシュバックが含まれている場合は業者に確認してください。

失敗パターン④:金融機関発行証明書を準備していない

令和8年度から実績報告時に金融機関発行の証明書等の提出が必須になりました。この証明書の詳細はクール・ネット東京から別途告知予定です。書類が揃っていないと実績報告が完了せず、補助金の振込が遅れます。交付申請の受付が始まる6月30日以降に公式の案内を確認してください。

失敗パターン⑤:区市町村の補助金と申請の順番を間違える

東京都の補助金と区市町村の補助金を併用する場合、どちらを先に申請するかのルールが自治体によって異なります。「都の補助金申請が先」「同時申請可」など自治体ごとに条件が違うため、工事前に区市町村の窓口に確認することが必要です。補助金の二重取りは禁止されていませんが、申請の順番を守らないと片方が無効になるケースがあります。

5月29日までに準備すること

受付開始まで4日。今できる準備を確認します。

事前申込前の確認チェックリスト

  • 設置予定の蓄電池の型番・蓄電容量(kWh)を業者から書面でもらっている
  • その型番がSIIの登録リストに掲載されていることを自分で確認した(sii.or.jp)
  • 見積書に「メーカー保証年数」「施工保証年数」が明記されている
  • 業者が「東京都の補助金の事前申込代行サービス」に対応していることを確認した
  • DR実証への参加有無について業者から書面で説明を受けた(参加する場合は義務内容も確認)
  • 区市町村の補助金との併用を検討している場合、自治体への確認が済んでいる
  • 事前申込は工事前に行うものであることを業者が正確に説明していることを確認した

事前申込そのものはクール・ネット東京の専用サイトからオンラインで行います。多くの場合、業者が代行してくれますが、申込内容(機器・容量・金額)は必ず自分で確認してください。業者まかせにしていると、後から「申し込んだ機器と実際に設置した機器が違う」というトラブルが発生することがあります。

書類様式の公開を待って申し込む

5月25日現在、クール・ネット東京の公式ページには「様式等 ※現在準備中です」と表示されています。5月29日の受付開始前後に様式が公開される見込みです。公式サイト(tokyo-co2down.jp)を直接ブックマークし、開始日に確認することを推奨します。業者から案内があっても、公式の様式と照合してください。

よくある質問

東京都の蓄電池補助金の事前申込はいつから始まりますか?

令和8年度(2026年度)の事前申込は2026年5月29日から受付開始です。クール・ネット東京(東京都地球温暖化防止活動推進センター)の専用サイトからオンラインで申し込みます。なお交付申請兼実績報告の受付は6月30日以降の開始予定です。

事前申込と交付申請は何が違いますか?

事前申込は「補助金を使う意思表示」の手続きで、工事前に行う必要があります。交付申請兼実績報告は工事完了後に実際の補助金請求を行う手続きです。事前申込→(交付決定通知)→契約・工事→交付申請兼実績報告→補助金振込、という順番が必須です。この順番を逆にすると補助金の対象外になります。

すでに業者と契約してしまった場合、補助金は受け取れませんか?

原則として事前申込受理より前に締結した契約は補助対象外です。ただし令和8年4月1日〜6月30日の間に契約・工事完了した場合に限り、経過措置として従前の要件で申請できる可能性があります。この経過措置は例外的な取り扱いのため、必ずクール・ネット東京(03-6633-3824)に個別確認することを強く推奨します。

DR実証には必ず参加しないといけませんか?

DR実証への参加は任意です。参加しなくても10万円/kWh・上限120万円の基本補助は受け取れます。DR実証に参加するとエネルギーマネジメント機器設置で15万円、未設置で10万円が加算され、さらに上限額が撤廃されます。ただし参加には電力需要調整への協力義務があるため、内容を十分に理解したうえで判断してください。DR実証契約は交付申請の前までに締結する必要があります。

10月以降に申し込む場合、何か変わりますか?

令和8年10月1日以降に事前申込をする場合、対象機器の要件が変わります。国の事業(戸建て住宅・集合住宅のZEH化・省CO2化促進事業)でSII登録済みの製品のみが対象となるため、令和8年度版のSII登録リストに掲載されている機器かどうかを必ず確認する必要があります。5〜9月に申し込む場合はこの要件変更の影響はありません。

業者が「工事してから申請する」と言っています。これは正しいですか?

誤りです。東京都の蓄電池補助金は「事前申込を受理され、交付決定通知を受け取った後に工事を開始する」のが正しい順番です。工事してから申請する方法は認められていません。そのような説明をする業者は補助金の仕組みを正確に把握していない、または意図的に省略している可能性があります。「先に工事してから申請可能」と言われたら書面で確認を求め、公式の募集要項と照合してください。

この記事のまとめ

  • 令和8年度の東京都蓄電池補助金の事前申込は2026年5月29日から受付開始
  • 申請の順番:①事前申込→②交付決定通知→③契約・着工→④交付申請兼実績報告(6月30日〜)→⑤補助金振込
  • 令和8年度の主な変更点:10月以降の機器要件変更・金融機関発行証明書の義務化・DR参加で上限撤廃
  • 業者に任せっきりにせず、申込内容・順番・書類を自分で確認することが補助金受取の最重要ポイント

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